代表質問3: 耐震改修助成制度について


6月12日、渋谷区議会 平成21年度 第2回定例会において、
渋谷区議会自由民主党議員団を代表して、区長並びに教育長に代表質問をいたしました。

 

今日は、7つの質問項目の3つ目、耐震改修助成制度についての問答を掲載いたします。

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【下嶋みちお 代表質問】

 未曽有の被害を出した阪神淡路大震災が発生して早14年になりました。この地震では多くの家屋が一瞬にして倒壊し、5千人とも言われる方々が倒壊の犠牲になり亡くなられました。これを教訓として各自治体は対策を重ねているところです。

 阪神淡路以後も全国各地で地震が発生しており、平成15年十勝沖地震、平成16年新潟中越地震、平成17年福岡県西方沖地震、平成19年新潟中越沖地震、平成20年岩手・宮城内陸地震などが、お隣中国でも昨年四川省大地震が発生しており、いずれも尊い命が失われております。

 一方関東周辺では、東海、東南海、南海地震等大地震発生の逼迫性が指摘されているとともに、首都圏などではいつ発生してもおかしくないとされる首都直下型地震も危惧されております。

 その様な状況下で私は昨年、神戸市で阪神・淡路大地震記念「人と防災未来センター」を訪れ、地震発生により崩壊していくビルや高速道路、震災から復旧・復興へ至る街と人の姿をドキュメンタリー映像で見てまいりました。
 この経験から災害のとりわけ、大地震に対する危機意識がよりわたしの中で高まりましたので、質問さていただきます。

(1) 渋谷区においては、「渋谷区地域防災計画」が時機を捉え修正して策定し、総合的な災害対策を規定しています。平成18年度には地震等に対する「地域防災マップ」を公表しました。平成20年度には「渋谷区耐震改修促進計画」を策定して、災害時における区民の皆様の生命及び財産を守り、安全・安心で暮らしやすい渋谷を実現するために、様々な施策を構築していることは承知をしておりますが、

 この「渋谷区耐震改修促進計画」の冒頭には、東京都西部を震源とするマグニチュード6.9クラスの地震が起こった場合に想定される渋谷区の被害予想が出ています。それらの数字を見ると木造建築物でおよそ10パーセントが倒壊するとされており、非木造建築物においても約1.6パーセントの倒壊予想が出ております。また、昭和56年以前に建築されたいわゆる「旧耐震建築物」の住宅は、区内には木造で10,000棟、非木造で4,100棟余り存在するとされています。

 とりわけ区民が住まわれている「住宅」の耐震化については、助成制度を設け、平成7年度から取り組んでいます。最も被害が甚大だと予想される木造住宅については、耐震診断の無料化、平成19年度には耐震改修助成額の引き上げ、特に高齢者の住まわれる住宅に対しては助成額の大幅な引き上げ、また、23区では最も早く「防災シェルターの設置助成制度」を設けるなど、耐震助成制度の充実化を図っており、今年度には新たに「分譲マンションの耐震化の助成制度」を設け、桑原区長の、社会環境の変化を瞬時にご判断し英断を下されたことに対して、高く評価するものであります。

 そこで、耐震化に対する区の姿勢について改めてお伺いしたいと思います。

 まず、区内に建っている、旧耐震木造住宅10,000棟に対する耐震化対策であります。「渋谷区耐震改修促進計画」では平成27年度までにそれらの耐震化率を90パーセントにするとあります。建て替えなどを考慮しても平成27年度までにおよそ8,000棟の耐震化が必要になると思われます。せめて耐震診断だけでも行い、自分の住宅の強度を知ることが必要ではないかと思われます。

 しかし、区の耐震診断を受ける木造住宅は年間約100件となっており、このままのペースでは、平成27年度とされる計画年度内にすべての木造に対しての診断を行うことも難しいと思われます。また、当事者である旧耐震木造住宅にお住まいの方々は、自分の住まいが旧耐震基準なのかどうか、区が耐震化に助成を行っていることなどについての情報を十分に理解していないのではないかという危惧があります。

 そこで、今年度の旧耐震木造住宅に対する耐震改修助成制度の取り組みについて、区長のご所見をお伺いいたします。

 

(2) これまで耐震診断を受けられて耐震改修工事を行っている住宅はおよそ30%だといわれていますが、耐震改修工事を行わない理由の一つには自己予算不足があると思われます。

 そこで、自己予算が乏しく耐震改修工事を行えない方々に対して何らかの救済措置を考えていけないものかと、昨年、我会派の代表質問で要望しておりましたが、区長は先程、「寝室や居間など、特定の部屋の部分的な補強を実施」「地震時における建物の倒壊から、生命だけでも守る空間の確保」とのお考えをお聞きしました。いずれにしても費用負担が掛かりますので、助成対象、助成額、開始時期等具体的にお示しください。

  
 

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【桑原渋谷区長の答弁】

耐震木造改修助成制度について、2点のお尋ねです。順次お答えします。

(1) 初めに、今年度の旧耐震木造住宅に対する耐震改修助成制度の取り組みについてのお尋ねであります。

 本区では、旧耐震木造建築物の耐震診断を耐震コンサルタントの派遣によって、平成9年度より無料で行っており、これまでに約500棟の建物に対して実施してまいりました。

 しかしながら、耐震診断の結果、耐震改修が必要であっても改修工事に至らないケースや、そもそも、耐震診断を行わない建物などへの対応が課題となっておりました。そこで、今年度、区内の10,300棟の旧耐震木造建築物に対する、個別訪問を実施してまいります。

 個別訪問では、ご自分の住まいの耐震性についてのご説明や、旧耐震基準とはどのようなものか、なぜ耐震化が必要なのか、さらに、区で実施している耐震診断、耐震改修工事などの助成制度をご紹介し、耐震化を実施していただけますように、啓発を行ってまいります。また同時に、訪問時に同行する建築士によって、外観目視による建物調査を実施してまいります。

(2) 次に、耐震診断を受けられて、耐震改修工事に進めない住宅に対する、新たな対策については、私の冒頭の発言で申し上げました通り、地震時における、生命を守ることを最優先とした、建物の特定の部屋の部分補強工事の方法を、区内の耐震診断コンサルタント、工務店などと協力して、施策化を進めているところであります。

 現在考えている具体的な工法は、部屋の壁の一部分を、耐震パネルや耐震部ブレースによって補強工事を行うもので、この工事を実施する事によって、地震時における倒壊の危険性が少しでも緩和できるのではないかと期待しております。さらに有効性を実証した上で、すでに耐震診断を受けられた後、耐震改修工事に至ってはいない住宅に対して、秋口には新たな助成事業として、適用できるように進めてまいります。

 また、本庁舎2階エレベーターホールにて、展示しておりました、新しく開発された、軽量の木製組み立て型防災ベッドを、新たな助成制度の対象として検討したいと思っております。

 いずれにしましても、これらの簡易補強工事などを、ご本人の自己負担なしで実施する事によって、次善の防災対策として、推進してまいります。

 

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