代表質問6: 高齢者福祉について


6月12日、渋谷区議会 平成21年度 第2回定例会において、
渋谷区議会自由民主党議員団を代表して、区長並びに教育長に代表質問をいたしました。

今日は、7つの質問項目の6つ目、高齢者福祉についての問答を掲載いたします。

20090619_shimojima2

 

【下嶋みちお 代表質問】

 本年3月に策定された「しぶやいきいきあんしんプラン 第4期 渋谷区高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」は、高齢者の介護を社会全体で支えあう「介護の社会化」の考え方に基づき、生活実態に合ったサービスの提供、地域での見守り支えあい体制の整備などの基本理念のもと、介護現場を本当に良く理解された計画だと高く評価いたします。

 ひとつ例をあげると、認知症高齢者等の支援の充実では、地域でささえる体制づくりの推進で、やすらぎサービスの継続、ボランティア等の発掘・連携や見守りサポート協力委員を110人体制に増員するなどの支援体制の整備から認知症高齢者相談事業、啓発・予防事業の充実など家族への支援事業の充実までも図られています。

 これらの事業は、超高齢社会の到来を目前に控え、核家族化・単身世帯の増加など、これまで機能していた助け合いなどが期待されない社会の変化といわれながらも、高齢者を地域で支える体制の推進を具体的にかつ着実に行われている桑原区長に敬意を表しながら大きく2点の質問をいたします。

 まず1点目は、福祉人材の確保についてお伺いいたします。

 昨年の第3回定例会での我が会派の代表質問で、区独自での介護予防事業を連携・委託し介護保険料と別の手当は考えられないかとの問いに、本来業務に加え区独自の事業の勤務体制上、困難であるが、国においての介護報酬の検討とは別に、過去にも我が会派が行った提言を踏まえ、福祉人材確保策を検討すると答弁をいただきました。

 今回の事業計画では、ヘルパー処遇に対する支援として、ホームヘルパー養成講習修了者補助を3万円から5万円へ拡充を行うなど人材確保に向け、高齢者を含む幅広い区民の参加や、大学との連携、福祉ボランティアの育成など渋谷区の施策は評価しながらも、実態調査のアンケート結果によると人材定着に効果がある取組では、給与の充実・介護報酬の見直しという回答が一番多いなど、国が介護報酬を3%引き上げたにも関わらず、いまだに介護報酬の更なる引き上げが望まれています。

 そこで区長に質問いたします。

 介護報酬の引き上げが保険料の増額につながる事なく、介護報酬の更なる見直しが行える様、区独自で人件費分の助成も視野に入れ何かしらの対策が必要と考えますが、所見を伺います。

 2点目は介護保険料についてお伺いいたします。保険料抑制のための介護療養型医療施設の全廃は渋谷区に当該施設がなく、増加する要介護者数の見込みの中、介護サービス費は増加しながらも、サービスの充実を更に図り、保険基準額の増を少額に抑えられた事は大変評価いたします。

 特に所得段階を9段階から10段階に増やし、さらに住民税非課税世帯の第4段階を基準所得金額で細分化し負担軽減を図られるなどきめ細やかな対応がなされています。

 しかし、今回の事業計画の年度内では、サービス費用の増加分が、21年度では全額、22年度が二分の一の国よりの特例交付金負担、23年度以降が措置なしという事を踏まえ、3年の総額で考えられた事、また繰越金があった事などが、保険料基準額の増加につながらなかった要因と考えるならば、国からの特例交付金の措置がなくなり、更なる介護サービスの増加・要介護者の増加を考えると介護保険料の将来が不安になります。

 国が対応に苦慮している中、一番身近な自治体としての区長のご苦労は大変理解を致しますが、持続可能な社会保障制度の確立のため、将来的な介護保険料も含めた介護保険のあり方についてどのようにお考えか、更に区民としては当然、更なるサービスの充実を行い、介護保険料の据え置きを望んでおりますが区長のご所見を伺います。

 

————————————————————

【桑原渋谷区長の答弁】

 介護保険料についてのお尋ねであります。

 介護サービスを充実しながら、介護保険料を据え置くことを議員は望んでおられます。

 女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率は、1.3程度で推移する一方で、平均寿命は男79歳、女86歳と確実に延びており、高齢化が加速しております。

 急激な高齢化は、年金、医療、介護など社会保障制度に深刻な影響を与えております。2004年の年金改革、2005年の介護保険制度の見直し、2006年の後期高齢者医療制度と、国の税制改革は集中して進められ、給付の抑制と負担の増大を図ってまいりました。

 しかし、個別に実施された一連の改革を全体としてみた時、影響を受ける家庭や企業にとって整合性があるかどうかは検証されず、昨年ようやく社会保障国民会議で議論が始まりました。

 年金、医療、介護の三つの社会保険の中で最も規模が小さい介護保険についても制度導入当初の予想より大幅に費用がかさみ、これを見直しによってその給付抑制を図ってきたものであります。

 しかし、介護報酬の抑制は、介護従事職員等の人材確保が困難になるなど、給付抑制の弊害が見られるようになり、今回の介護報酬の増が図られたものであります。

 その意味で、今回の介護保険改革は、歳入面として国庫負担の抑制と、他方では、歳出拡大要請のはさみうちとなって生まれたものであります。

 しかし、今回の報酬引き上げは、当然のことながら介護給付費の増に連動して、要介護者の本人負担(1割)以外に、現役世代と高齢者の保険料は、当然に増える仕組みであります。

 しかも保険料は、3年に一度見直され、個人単位でそれぞれ年金から天引きされ、一方、年金、医療と異なり生活保護を受ける世帯の保険料は免除されないシステムであります。

 従って、本区が保険料について所得段階を9段階から10段階に引き上げ、高所得者への保険料を高く、低所得者の負担軽減の努力をしても、そこには限界があります。

 本区は、低所得者の利用料を3%にしたり、保険外の生活支援サービスを行ったとしても、介護保険制度のあり方を変えなければ、負担は高齢化とともに増加してまいります。

 この保険制度を安定させる為には、三つの方法しかありません。

 ひとつは、歳出抑制であり、公的介護保険の対象をより重度の人に限ること、2つ目は、社会保障目的の消費税などで介護保険財政を下支えすること、3つ目は、被保険者を年金同様に、20歳まで引き下げることであります。

 早急に、国民のコンセンサスを得て、高齢化時代にふさわしい社会保障制度の改革を実現することです。こうした国の動向などを視野に入れながら、区においては、母子家庭支援の面からでありますが、介護福祉士・作業療法士・理学療法士などの資格取得や就労に向けて、区独自に国基準を上回る助成額や助成期間の拡充をするなどしているところです。そのような中、さらに、区としての福祉人材確保策について、研究させていただきたいと存じます。

 

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です